フジ系東海テレビテロップについて

「怪しいお米…」のテロップが、外部スタッフの仕業と東海テレビは発表しているようだが、これを素直に「はい、そうですか」と信じる事はできない。

まず考えてみればわかる。外部スタッフといえば、多少聞こえはいいが、要は下請け企業の社員という意味だ。この下請社員が、非人道的なテロップを出して、それが許される現場であった、というのが、東海テレビの見解だが、普通、こんな事を下請け社員ができるわけがない。

下請け社員にとって、元請け企業の社員は神だ。この神はきまぐれで、時には正しい注意を失礼な言動と捉え、時には普通の行動を極悪非道の行いと捉え、誤った認識で下請け社員のひとりやふたり簡単に首にする。例え、それが新入社員であったとしても、簡単に下請け企業の人間を飛ばす事ができる。ゆえに、下請けの人間に下ネタ以外で社会通俗を激しく逸脱した冗談なんて発言する機会は永遠にない。ほぼ、元請け企業全員に言える事だが、程度の高低はあれ、基本的に下請け企業を舐めきっているから、ちょっとした発言でもどう捉えられるかわからない。下請け社員は、バビロンシステムの奴隷側なのだから、至極当然だろう。

余談だが、元請け企業の社員は、(どこでもそうだが)実際に専門的な仕事をしてる奴なんて、研究員でない限り皆無だ。奴らの職種は総合職とかいうらしいが、言ってしまえば、事務や運用や過去商品を参考にしたプロジェクトの発足のみしかしない、知的レベルの低い職種だ。イノベーションというのは、常に専門職から生まれる。日本の大企業は、研究員はもちろん除くが、これを下請けにやらせている事が非常に多い。元請け企業の社員ほぼ全てが、発想力が欠如したスティーブ・ジョブスと化していると表現した方が早いかもしれない。

こんな奴らに、「怪しいお米…」に類似した冗談を言った瞬間、その下請け社員の身はどうなるかわからない。神は、たしかに冗談ととってくれるかもしれない。だが、「ふざけるな、おまえみたいな奴はいらない」と激怒する可能性も十分ある。後者の場合、下請け社員は契約を切られる恐れが高い。少なくとも、始末書ものだろう。非人道的な事を述べるのであれば、それ相応のリスクが必要なわけだ、下請けの社員のほとんどは、自分が行う行為を常にリスクヘッジして仕事を行っているはずだ。当然、こんなリスクを冒してまで、外部スタッフとやらが行うには、メリットがなさすぎる発言だ。そもそも発覚した後も、この外部スタッフが所属する会社名が一切報道されない事がおかしい。普通、彼が所属する会社になんらかの影響は及んでいるはずなのに、一切情報が出てこない。こんな外部スタッフなど初めからいないんじゃないのか。

と、こんな事を容易に想像されるのがわかっているにもかかわらず、東海テレビの見解は、外部スタッフが…と、真の外部である我々に宣言する必要のない修飾語を入れてきている。おそらく、上層部自体が真実をねじ曲げて発言してるか、正社員が「本当は正社員がやったにも関わらず、外部スタッフがやった」と虚偽報告をして、上層部の耳にはその報告が届いているかのどちらかだ。

どちらにしても、上層部にとっては、「外部」と修飾されている方が都合がいいのは間違いないが、個人的には、一部上場企業の中間管理職が暴走する傾向にあるから、後者の可能性の方が高いと思っている。上層部はきっと、半ば解かっていて、虚偽報告を受け入れたのだろう。もし、これで虚偽報告であれば、自分も騙された、と言って一応身の保全は確約されるからだ。もしかして、中間管理職も同様に、若手に責任を振って、もしかして若手は下請けに…、とウォーターフォールしていくのかもしれない。いや、初めから調査するのは下請け企業で、下請け企業が、力関係から元請け企業に都合がいいように書かざるおえなかった調査報告書を作成したのかもしれない。こうなると、全員が「社内的には」責任を逃れる事ができる。まあ、いずれにせよ、テレビ局の連中は、責任逃れだけは上手い、ヴィジョンなし集団である事は間違いない。